子どもを守る目コミュ@文京区   代表 工藤玲子

おせっかいおばちゃんを増やそう!

「子ども食堂ってなあに?」

 私たち「子どもを守る目コミュ@文京区」は児童虐待を防止するために、私たちにできることをしよう」と活動している、子育て中の母親を中心としたボランティアグループです。

 

 活動のきっかけは、2010年、夏におきた、「大阪二児ネグレクト事件」でした。

 

 ちょうどその頃、高齢出産でようやく子どもを授かった私は「子どもがかわいそう」と、思うと同時に、子育ては自分の思い通りにいかないことを実体験として知り、「虐待は決して他人事ではない」と気づきました。

 

 その半年後に起きた東日本大震災と原発事故。子どもの命を守るということにおいて、地域の人とのつながりが欠かせないことも痛感したのです。

 

 私たちは、地域で子どもを見守るためのネットワークづくりをしたり、子連れでおしゃべりを楽しむ「ゆる育カフェ」の運営をしたりするほか、「こまじいのうち」、「さきちゃんち」などの空き家や空きスペースを活用した地域の居場所づくりにも積極的に参加しました。

 

 そして、それらの活動を通して、晩ごはんを一人で食べているお子さんの存在を知りました。

 

 どうしたらいいのか悩んでいたとき、テレビ番組を通じて「子どもの貧困」問題と、そうした子どもたちを支える「子ども食堂」の存在を知ったのです。

 

 私たちは、そのお子さんも含めて、たまにみんなで一緒にごはんを作って食べる“おたがいさま食堂”のスタイルから始めました。そして、定期的に開催する必要性を実感して2015年夏に“子ども食堂”をスタートさせました。

 近所のお母さんたちが集まり、料理の先生の指導を受けながら、30人分の晩ごはんを作っています。会員制のため、子どもたち、親子連れ、地域の人たちなど、大体同じメンバーが集まり、今ではみな顔なじみになっています。また、大学生ボランティア、民生児童委員、社会福祉協議会の方たちの協力や見守りがあることも特徴のひとつです。

 

 たまにやんちゃな子たちがけんかすることもあるけれど、大学生や地域の大人たちが見守り、時にはしかり、まるで家族のような温かいつながりが自然にできていることを感じます。最初は挨拶もしなかった子どもたちが、配膳や後片付けを手伝ってくれたり、町で会った際に声をかけてくれたりする時が、やってよかったなと思う瞬間です。

 

 「子ども食堂」とまでいかなくても、「ひとりで食べている隣のお子さんと、今日一緒に晩ごはんを食べてみようか」という気軽な感覚で、これからどんどん町におせっかいなおばちゃんが増えたらいいなと、子どもを育てている母親の立場からも切に願う今日この頃です。


工藤玲子・・・編集者・ライター。テーマは、料理、健康、医療、子育てなど。編著に『柳原和子もうひとつの「遺言」』。子ども虐待防止活動をライフワークとする。『子どもを守る目コミュ@文京区』、『マチイク子ども食堂』主宰。文京区女性団体連絡会常任委員。